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最近は庇がほとんどないような洋風の家もあるが、建物に雨が直接当たり、直射日光が部屋の中に入ってくる。日本建築が庇を深くとっているのは、雨が多く、夏の暑さが厳しい気候を考えてのことである。
庇が深く、軒先が低くなっていると、雨の跳ね上がりが少ない。太陽の光も、地面や軒先で吸収されながら、間接的に入ってきて気持ちがいい。
「家の中に座って外を眺めたときも、窓のピクチャーに軒先の線と地面が手頃な高さに見えるんです。これだと、景色に遠近感を感じるんですよね。奥へ奥へと広がっていくんです。視界から見えるのが、ただ大きな開口部だけだったら遠近はとれないんですよね」
昔は深い庇の町家が並んでいた。それぞれの家の庇が道沿いにずっと続き、突然雨が降っても、軒先に入り込めば雨宿りができた。夕立があっても会釈などをしながら、みんながそこで雨が上がるのを待っていた。
「こうしたことからも、昔の住まいが他者との関係を大切にしていたことがわかりますよね。庇ひとつによって、自分の家と他人の家、道路がつながっていたんです」
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